Shiki’s Weblog

ESウェブブラウザ通信 - escort バージョン 0.2.3 公開

2012/12/15 #ESウェブブラウザ通信

前回は、そろそろescort 0.2.3を出す予定です、ということを書いたところで終えていたのですが、今月初めにescort 0.2.3をリリースしました。今回はすこし遅くなってしまいましたが、そのインストール手順の紹介と、最近開設したESプロジェクトのGoogle+コミュニティを紹介します。

インストール手順

escort 0.2.3からFedora 17に加えてUbuntu 12.10用のパッケージ レポジトリも用意しました。レポジトリのトップページにもインストール手順の説明をしてありますが、ここでも簡単に紹介しておきます。

Fedora 17

Fedoraでの手順は0.2.1をリリースした際に紹介した方法とまったく同じです。ただ、0.2.3からパッケージに署名をするようになっていますので、 0.2.2以前からレポジトリを追加してくださっていた場合は、下記のように一度古いesrille.repoファイルを削除してください

sudo rm /etc/yum.repos.d/esrille.repo

古いesrille.repoファイルがなければ、以下のコマンドでエスリルで用意しているパッケージ レポジトリの情報を追加できます。

sudo yum-config-manager --add-repo http://download.esrille.org/fedora/esrille.repo

ここまでできれば、

sudo yum install escort

と実行すれば、escortをインストールできます。yum以外にもApper(KDEの場合)のようなGUIツールを使ってインストールすることもできます。

ApperApper

Ubuntu 12.10

Ubuntuの場合は、まず/etc/apt/sources.listの中に以下の2行を追加して、エスリルで用意しているパッケージ レポジトリの情報を追加します。

deb http://download.esrille.org/ubuntu quantal main
deb-src http://download.esrille.org/ubuntu quantal main

sudoeditで直接編集してもよいですし、GUIからも次の手順で追加できます:

  1. System Settingsを開く。
  2. Software Sourcesを開く。
  3. Other Softwareタブを選択する。
  4. Add...ボタンを押して、software-properties-gtkダイアログボックスを開く。
  5. APT line:テキストボックスに、 deb http://download.esrille.org/ubuntu quantal main と入力して、Add Sourceボタンを押す。
  6. Authenticateダイアログが表示されたら、管理者のパスワードを入力して承認する。

ここまでで下のような画面になっていれば大丈夫です:

Software Sources ウィンドウSoftware Sources ウィンドウ

続いてパッケージの署名に使っているエスリルの公開鍵(esrille-pubkey.asc)をシステムに取り込んでください。

  1. Software SourcesウィンドウのAuthenticationタブを選択する。
  2. Import Key File...ボタンを押して、 Import keyダイアログボックスを開く。
  3. ダウンロードしたesrille-pubkey.ascを選択する。
  4. Authenticateダイアログが表示されたら、管理者のパスワードを入力して承認する。

下のような画面( マジェンタ色 の中)になれば設定完了です:

エスリルの鍵の取り込み

鍵の取り込みは、コマンドラインから次のようにして実行することもできます:

sudo apt-key add esrille-pubkey.asc

以上でレポジトリ情報の追加ができました。ここまでできれば、apt-getや、Synapticパッケージ マネージャーを使ってescortをインストールできます。apt-getを使う場合は、

sudo apt-get update
sudo apt-get install escort

のようにしてインストールできます。Synapticを使う場合は、Reloadボタンを押してから、World Wide Webグループのescortを選択してインストールしてください。

SynapticSynaptic

起動

インストールが完了したら、コマンドラインからは、

escort

で起動できます。GUIからの起動方法も7月のこのブログで紹介しているので参考にしてください。

escort 0.2.3

Fedora, Ubuntuどちらも、レポジトリ情報の追加さえ終わっていれば、今後新しいバージョンをリリースした場合も、yumやapt-getなどで簡単に新しいバージョンへアップデートできるようになるので、開発の進捗の確認などにもご利用ください。

まとめ

escortの開発がCSS 2.1の部分については割と落ち着いてきたこともあって、このブログの方は更新頻度が下がっていますが、開発寄りの最新の情報は最近スタートしたGoogle+のコミュニティを使ってこちら(ES Web Browser/Operating System)でお知らせしています。何かありましたら、コミュニティにも気軽にコメントなど寄せてください(一部分でも開発に参加してみたい、みたいなことがありましたら、ぜひ使ってください!)。また今回はescort 0.2.3のインストール手順を紹介してきましたが、年内に次の0.2.4のリリースを予定しています。escort 0.2.4では、DOMやHTMLの基本的なAPIの実装が進んでいるので、単純にHTMLページを表示できるだけではなくて、マウスで操作できる部分も少し増えてくる予定です。

escort 0.2.4 (開発中のもの。画面は Hatena さんのトップページ)escort 0.2.4 (開発中のもの。画面は Hatena さんのトップページ)

というわけで今回はここまでです。