Shiki’s Weblog
XPS12にUbuntuをいれました。
2013/02/16
今日はESウェブブラウザ通信ではなくて、最近世界中で流行の兆し(ホントかw)のあるデルのXPS 12にUbuntuを入れました、というお話。# ちなみにescortは先月0.3.0をリリースしています。なんでXPSに人気があるかというと、株式非公開になるからではなくて、
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Dell XPS 12 - Ubuntu 12.10 Linux, Sputnik Project e touchscreen Atmel MaxTouch(イタリア語なのでキャプションを出して翻訳を表示してみてください)
とかの所為だと思います。販売直後は納期が通常+6週間とかすごいことになっていた記憶がありますが、最近は落ち着いて来たみたいですね。
こんな感じで届きました(発注から2週間ほど)
で、以下手順をザーッと。注意 : 大事なことをひとつ。DellのプロジェクトSputnikで扱っているのはXPS 12ではなくてXPS 13です。XPS 12の方はよく似たハードだし、Atmelのタッチスクリーン ドライバもあるし、動くかも的なノリだと思うので、実際にやってみようという方は自己責任でお願いします f^_^;;
1. Windowsのバックアップメディアを作る
(Windowsとかいらない、というひとはここは省略。) 別途オーダーできるリカバリディスクを購入しても『デルのドライバおよびアプリケーションは含まれません』だそうなので作っておいたほうが良さそうです。手順は、 [Start] - [My Dell Support Center] - [バックアップ] - [システム リカバリ メディア] の順番です。
2. Ubuntu 12.10 64bit をダウンロードしてDVDに焼いておく
このページから 64ビット版 をダウンロードしてきます。Windows 8が入っている最近のPCにインストールするときは、 Please use a 64-bit flavour of Ubuntu desktop.
という注意が書かれている通りです。DVDのかわりにUSBメモリも使えるはずです。注意: タッチスクリーンに対応しているのは12.10以降のようなので、12.04は選択しない方がよさそうです。
3. Windowsのパーティションを縮小する
出荷状態だとSSDは全部Windows用に使われてしまっているので、Windowsのパーティションを小さくして、Ubuntuをインストールするための空き領域を作ります。手順は、 [コントロール パネル] - [コンピューターの管理] - [記憶域/ディスクの管理] と選択して、ボリューム名『OS(C:)』のパーティションを選択して、右クリックで[ボリュームの縮小]を選びます。『縮小する領域のサイズ(MB)』にUbuntuに割り当てる領域の大きさを入れます。ESウェブブラウザの開発用なら30GB(30,720)もあれば大丈夫だと思います。次の手順からUbuntuのサイトで説明されている手順のXPS 12版になります。Ubuntuの公式な説明はこちらにあります。
4. BIOSの設定を変更する
注意: 初期にXPS 12を入手された方は最新のBIOSになっているかどうか確認しておいた方がいいかもしれません。キーボードのF2キーを押しながらXPS 12の電源を入れて、BIOSのセットアップ画面を表示します。[Boot] - [Windows 8 Fast Boot] を選択して、<disabled>にします。
5. UbuntuのLiveDVDを使って起動する
LiveDVDの入ったDVDドライブをUSBポートにつなげてから、キーボードのF12キーを押しながらXPS 12の電源を入れて、ブート オプション画面を表示します。接続したDVDドライブなどを選択して、起動したら" Try Ubuntu "を選択します(ここでInstallの方を選んでしまうと、うまくインストールされないそうです)。
6. Ubuntuをインストールする
Ubuntuが起動したら"Install Ubuntu 12.10"を選択して、Ubuntuのインストールを開始します。Ubuntu用の空き領域は確保してある筈なので、XPS 12を電源に接続して、Wi-Fiを有効にしてインターネットに接続した状態にして、インストールを続けます。インストーラーがWindows 8の存在を見つけないようで怖いのですが、インストールする場所の選択で『それ以外』を選択します。続いてSSDの中で3.の手順で作った空き領域になっている部分を選択して[+]ボタンを押してパーティションを作ります。メインメモリが8GBあって、特にこだわりがなければ、パーティションは1つだけ、フォーマットにext4を選択してマウントに/を選択して作っておけばいいと思います(swapなど他のパーティションはとりあえずなくてもいいかなと。あとで必要ならdphys-swapfileを使うとか)。ブートローダーは/dev/sdaにしておきました。後は地域とかキーボードの種類とかを選択するくらいでどんどんインストールが進んで行くと思います。インストールが終わったらディスクを取り出して再起動するとUbuntuが立ち上がるはずです( ぇ ぇ ぇ 。この手順だとなんかデフォルトがUbuntuになるんですね。Windowsを起動するときはF12を押しながら電源を入れて、Windows Boot Managerを選択すれば大丈夫でした。
7. Sputnik Kernel PPAを導入する
冒頭に書いたDellのUbuntuノートPC開発プロジェクトSputnikの成果物を取り込めるようにします(公式ページはこちら)。注: Ubuntu Raring Ringtail (13.04)からはSputnikの成果物がデフォルトでUbuntuに取り込まれているそうなので、この手順がいるのは12.10まで、ということのようです。Ubuntuでターミナルを開いて、 $ sudo add-apt-repository ppa:canonical-hwe-team/sputnik-kernel $ sudo apt-get update $ sudo apt-get upgrade の順に実行して再起動すれば大丈夫です。これでWindows 8とUbuntu 12.10がXPS 12で使えるようになっている筈です。
Ubuntu 12.10/XPS 12でescortを実行しているところ
escortもタッチパネルを使って画面をスクロールしたり、リンクをタップしたりできます。
Ubuntu 12.10でXPS 12でまだ不完全なところ
Wi-Fiもタッチパネルも、もうちゃんと動いている感じなのですが、タッチパッドのマルチタッチがXPS 12は未対応のようです。参考: https://bugs.launchpad.net/ubuntu/+source/linux/+bug/1103594 これはマウスがないと結構厳しいものがあるかもですね。最悪、WindowsのVirtualboxからインストールしたUbuntuを起動させるというものありかも(やってみてないですが)。2/28追記: 上述のbugsページにも報告されている通り、早くもXPS 12でもタッチパッドのマルチタッチがUbuntuで使えるようになっていました!
$ xinput list
⎡ Virtual core pointer id=2[master pointer (3)]
⎜ ↳ Virtual core XTEST pointer id=4[slave pointer (2)]
⎜ ↳ Atmel Atmel maXTouch Digitizer id=9[slave pointer (2)]
⎜ ↳ CyPS/2 Cypress Trackpad id=12[slave pointer (2)]
System Settingsを開いてMouse and Touchpadを選択すると、以前はなかったTouchpadタブが追加されているので、そこでTwo-finger scrollingなどを有効にできます。
まとめ
今回はほとんど雑談でした。でもこんな感じでUbuntu Smartphoneも出てきたらちょっとワクワクしますね。次回はちゃんとESウェブブラウザ通信を書く予定です!